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住宅建築現場の安全対策:工務店が守るべきポイントと対策

住宅建築現場の安全対策:工務店が守るべきポイントと対策

建設現場は、どのような規模であっても危険が伴う場所です。特に住宅建築のような小規模な現場では、安全対策が軽視されがちですが、事故が起こった際の影響は決して小さくありません。工務店は、現場で働く社員や職人の安全を守るための措置を講じる責任を負っています。本記事では、小規模な住宅建築現場での安全対策の重要性と、その具体的な実践方法について詳しく解説します。

住宅の現場にも安全対策は必要

住宅建築の現場は、規模が小さいことから安全対策がおろそかにされることがしばしばあります。しかし、どれほど小さな現場であっても、そこは労働者にとって職場であり、安全が確保されなければなりません。労働安全衛生法は、すべての職場において労働者の安全と健康を守るために制定されています。

労働安全衛生法の目的と適用範囲

労働安全衛生法は「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに、「快適な職場環境を形成する」目的で制定された法律です。建築現場もそこで働く人にとっては「職場」になりますので、企業側としては安全衛生管理体制を確立し、労働災害を防止するための具体的措置を実施する義務を負うということになります。つまり、働く人に安全に注意するように言うだけではなく、責任があるということです。

労働安全衛生法は、現場(職場)環境に関する大枠のことが決められていますが、足場などのもう少し細かい規定については労働安全衛生規則に記されています。労働安全衛生法施行令には、安全衛生責任者や作業主任者、職長、その他機械に関する規定があります。

普段はあまり法律を調べることは少ないかもしれませんが、どのようなことが書かれているか、一度覗いてみるのも良いと思います。下記にリンクを記しておきます。


法律以外にも様々なルールがある

更に細かいルールになると、告示や通達、業界団体などが定めた基準等が参考になります。例えば仮設工業会では、足場に関する基準を定めております。これらも意識しながら、ルールとして決められたことを守るというスタンスで、現場の安全体制を整えてください。



現場安全管理の基本要素

ただ単に「安全にしなさい」といっても、具体的には何をどうすればいいのか分からないと思います。実は労働災害の原因を分析すると、安全対策の不備にあたる「不安全状態」と、個々それぞれの行動に対する「不安全行動」が主な要因となることがわかっています。

つまり安全対策を考えるには、労働安全衛生法や規則にて決められているような職場環境としての安全対策と、個々それぞれの知識や行動に対する安全対策という二つを両立させることで、事故のリスクを大幅に低減することができるのです。

不安全状態とは?

不安全状態とは、現場の物理的な環境が安全でない状況を指します。例えば、高所作業を行う際に適切な作業床や足場が設置されていない場合や、現場敷地に仮囲いをせず誰でも現場に入れるような状態をつくってしまっていて、危険であるなどの場合がこれに当たります。こうした不安全状態を放置すると、事故が発生する確率は飛躍的に上がります。

特に住宅建築の現場では、予算やスケジュールの制約から安全対策が後回しにされることがあります。しかし、不安全状態を未然に防ぐためには、工務店は現場の設備や状況を常に点検し、必要な対策を講じることが求められます。

不安全行動とは?

不安全行動は、作業員が取るべき安全な行動を怠ったり、危険な行動を取ることを指します。例えば、ヘルメットや安全帯の着用を怠る、工具の正しい使い方を守らないといった行動です。こうした不安全行動は、事故が発生する確率を大幅に高めます。

工務店は、現場での不安全行動を防ぐために、作業員に対する教育やトレーニングを定期的に行う必要があります。また、作業員同士が互いに安全行動を監視し合う文化を育てることも、事故防止に役立ちます。

不安全状態×不安全行動=事故のリスク

不安全状態と不安全行動が同時に存在する場合、事故のリスクは非常に高まります。労働災害の約80%は、この2つが重なった結果として発生しています。たとえ不安全状態が改善されても、不安全行動が残っていれば、事故が発生する可能性は依然として高いままです。したがって、工務店は環境の整備だけでなく、作業員の行動にも細心の注意を払う必要があります。

現場の安全対策のポイント

住宅建築現場においては、主に以下のような具体的な安全対策が必要です。

墜転落防止のための対策

建設業で最も多い事故は「墜転落事故」です。令和5年の建設業における死傷災害は14,414人、そのうち4,554人が墜転落です。ただしこれは「労災」のデータですので、労災にあたらない一人親方や中小企業経営者は入っていません。例えば令和5年の死亡者は223人ですが、これに一人親方等を加えると303人になるそうです。

足場の不備や高所作業中の不注意によって、作業員が墜落する事故が頻発しています。特に住宅建築現場では、足場の設置が不十分なことが多く、この点を軽視することは大きなリスクとなります。

足場の設置に関する法律や規制は頻繁に改正されていますが、現場で働く作業員がそれらのルールを正確に理解していないことも事故の要因の一つです。工務店は、足場の設置や使用に関する最新の知識を提供し、現場での正しい使用方法を徹底させることが求められます。

工具の取り扱いに関する安全対策

工具の取り扱いミスによる事故も頻発しています。特に丸ノコやくぎ打ち機による怪我が多く見られますが、その原因の一つには安全カバーを取り外して作業する習慣があります。安全装置を取り外すことは、作業効率を上げるように見えるかもしれませんが、重大な事故を引き起こすリスクがあります。

工務店は、工具の安全な取り扱いについての教育を定期的に実施し、作業員が常に安全な方法で作業できるよう指導することが重要です。

ヘルメットはとても重要だけど・・・・

ヘルメットは建設現場での基本的な安全装備ですが、住宅建築の現場では室内作業中に着用しないケースがよく見られます。脚立からの転落事故や頭部を打撲する事故が多発しているにもかかわらず、ヘルメットを着用しないことで、重篤な事故に発展する可能性が高まります。

室内作業であってもヘルメットを着用することで、事故が起きた際の被害を最小限に抑えることができます。工務店は、室内外を問わずヘルメットの着用を義務づけるのが一番いいです。しかし習慣が無い中でいきなり被れと言っても被らないと思います。そこで、例えば「脚立を使用するときはヘルメットを着用」など、その必要性をしっかりと伝え、段階的に被るようにしていくといった措置を取るという方法もあります。そして、まずは作業員全員がこのルールを守るよう徹底するようにしてみましょう。

まずは安全に対する知識を深めること

安全に関する取り組み方は、何もおこなっていないというケースもありますし、安全大会を年に1度おこなって注意喚起するところ、毎月安全パトロールをおこなっているところなど企業により様々です。比較的大きな会社であれば、しっかりとおこなっているケースが多いですが、特に小さな工務店の場合はあまりおこなわれていないのが実情です。

しかし事故が起れば、企業の大小は関係ありません。もし死亡事故が発生してしまったら、その情報が地域に知れ渡り営業活動にも支障が出てきます。このようなことにならないように、日ごろから安全に対する教育を企業の責任としておこない、現場での行動も気を付けるよう促していきましょう。

必要な資格取得はもちろんのこと、広く安全に対する知識向上のために資格取得を推進することもお勧めいたします。


安全については、安全大会や業者会、安全講習などもおこなっています。事前に現場を見せていただければ、貴社の現場に関する改善するポイントをお伝えできるので、とても有効的です。気軽にお問い合わせください。

現場の安全については、動画について解説しているページがあります。そちらで学習してみてください。

【小規模建築業者向け情報提供サイト:Web Library】