BLOG ブログ

引継ぎ改善で、業務効率と社内コミュニケーションを向上させる方法

引継ぎは、業務を円滑に進めるために欠かせない重要なプロセスです。
しかし、引継ぎが不明確だと、業務の非効率化や責任の所在の曖昧さ、コミュニケーションの断絶といった問題が発生します。

本記事では、引継ぎの重要性とその具体的な改善方法について解説します。また、ある工務店の成功事例を通じて、引継ぎを見直し改善することで得られる業務効率化とコミュニケーション向上の効果についても紹介します。

組織全体のパフォーマンス向上のヒントにしてください。

引継ぎの重要性について

引継ぎとは、特定の部門で行われている業務を次の部門へ円滑に移行させることを指します。この文脈では、「前工程」と「後工程」として説明します。前工程での業務を確実に遂行し、それを後工程へと引き渡すことが求められますが、このプロセスの円滑さが業務の成功を左右し、トラブルを未然に防ぐ鍵となります。

業務の性質によって、引継ぎが何を指すのかは異なりますが、どのような企業や部門でも引継ぎは必ず発生します。例えば、製造業では生産ラインの各工程間の情報伝達が、サービス業では顧客対応の継続性が重要です。つまり、どの業種でも、前工程から後工程への情報や業務の引継ぎは、組織全体の効率と成果に直結する極めて重要なプロセスです。

引継ぎのポイントとは?

引継ぎのポイントは、以下のとおりです。

〇情報の正確さ
引継ぎにおいて最も重要なのは情報の正確さです。前工程で収集された情報やデータが正確でなければ、後工程での作業に支障をきたします。例えば、顧客の要望や仕様の詳細、プロジェクトの進捗状況など、必要な情報を過不足なく後工程に伝えることが求められます。

〇コミュニケーションの質
引継ぎは一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションが必要です。前工程の担当者が後工程の担当者に情報を伝えるだけでなく、後工程の担当者が疑問点や不明点を確認するプロセスが含まれます。この双方向のやり取りが円滑に行われることで、認識のズレや誤解が防げます。

〇文書化の徹底
口頭での引継ぎだけでなく、文書化された引継ぎ資料が重要です。文書化された情報は後工程の担当者が後から見返すことができ、必要な情報を確実に確認するためのツールとなります。また、文書化することで情報の抜け漏れを防ぎ、引継ぎの一貫性を保つことができます。

〇タイミングの適切さ
引継ぎのタイミングも重要です。早すぎる引継ぎは情報の変動に対応できず、遅すぎる引継ぎは後工程の準備が間に合わないリスクがあります。適切なタイミングで引継ぎを行うことで、後工程がスムーズにスタートできます。

引継ぎが不明確な場合に起こる問題

コミュニケーション不足による、社内雰囲気の低下
引継ぎが曖昧で不十分であると、組織内で深刻な問題が発生する可能性があります。例えば、後工程の担当者が問題に直面した際に、「前工程が原因だ」と他責に陥ることがあります。一方で、前工程の担当者は「ちゃんと確認しておくべきだ」と考え、互いに不信感が芽生えてしまうのです。このような状況では、良好な仕事環境を維持することは難しくなります。

引継ぎの不備は、具体的には以下のような問題を引き起こします。

〇コミュニケーションの断絶
引継ぎがうまくいかないと、前工程と後工程の間で情報のギャップが生じ、コミュニケーションが断絶する恐れがあります。これにより、業務の進行が滞り、誤解やミスが頻発するようになります。

〇業務の非効率化
引継ぎが不明確だと、後工程の担当者が必要な情報を再確認するために余計な時間と労力を費やすことになり、業務全体の効率が低下します。また、ミスが発生した場合、その修正にも多くの時間を要することになります。

〇責任の所在が曖昧になる
引継ぎが不十分だと、問題が発生した際に責任の所在が曖昧になり、組織全体の信頼性が損なわれます。結果として、問題解決が遅れ、顧客や取引先との関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

〇士気の低下:
引継ぎの不備が続くと、社員の士気が低下し、チーム全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。前工程と後工程の担当者間で不信感が募ることで、協力体制が崩れ、チームワークが損なわれます。


引継ぎを円滑にする対策

引継ぎを円滑にするには、以下のような対策が考えられます。

〇明確なプロセスの確立
引継ぎプロセスを明確にし、標準化された手順を策定することで、誰が何をどのように引き継ぐかを明確にします。これにより、情報の抜け漏れや誤解を防ぎます。

〇定期的なレビューとフィードバック
引継ぎのプロセスを定期的に見直し、改善点を洗い出すためのフィードバックセッションを実施します。これにより、引継ぎの質を向上させ、継続的な改善を図ることができます。

〇透明なコミュニケーション
前工程と後工程の担当者間での透明なコミュニケーションを推奨し、疑問や不明点があればすぐに確認し合える環境を整えます。これにより、誤解やミスを未然に防ぐことができます。


どのような業務が引継ぎに該当するのか、社内で一度確認してみることが重要です。具体的な引継ぎの内容や手順を再確認し、必要な改善点を洗い出すことで、引継ぎの質を向上させることができます。また、引継ぎプロセスの見直しを定期的に行うことで、常に最適な引継ぎ体制を維持することが可能です。

引継ぎは、単なる業務の一部ではなく、全体の業務効率や成果に大きく影響を与える重要なプロセスです。これを怠らず、しっかりとした手順とコミュニケーションを確立することが、企業の成長と成功につながります。社内での引継ぎの重要性を再認識し、日々の業務において徹底することが求められます。

事例紹介:工務店の引継ぎ改善例

家づくり
ある工務店の事例をご紹介します。この工務店では、通常「営業」→「設計」→「工事」という流れで業務が進行します。しかし、引継ぎが書類の受け渡し程度でしか行われていなかったため、後戻りが頻発し、非常に非効率な状態になっていました。

特に、設計から工事への引継ぎにおいて、図面の確認不足や図面の未完成といった問題が発生していました。その結果、現場で不明点が生じ、職人と工事監督が現場で打ち合わせをし、設計へ確認を求めるという状況が度々起こっていました。こうした問題は、多くの工務店で見られる共通の課題です。

しかし、この工務店では引継ぎプロセスを見直し、改善を図ることで状況を大幅に改善することができました。具体的には、引継ぎ時に内容を徹底的に確認する「引継ぎの明確化」を実施しました。以下のようなステップを取り入れました。

改善ステップ ~まずは業務フロー作成から~

1.業務フローの整備
まずは社内業務フローを作成し、どの時点でどんな引継ぎがあるのか、誰が関わるのかなどを明確にしました。

2.詳細な確認作業の実施
引継ぎの際に、図面やお客様とのやり取り内容を詳細に確認する時間を設けました。不明点があれば、その場で打ち合わせを行い、必要な修正や追加を行うようにしました。

3. 責任の明確化
引継ぎ時に内容を確認することにより、各担当者の責任感を明確にしました。今までは「図面がないから仕方ない」「図面が悪いからこうなった」と他責の姿勢が見られましたが、引継ぎの確認を徹底することで、自分の責任として認識するようになりました。

4.継続的な改善
引継ぎプロセスの見直しと改善を定期的に行い、常に最適な状態を維持するよう努めました。具体的には、引継ぎの際に発生した問題点や改善点をリストアップし、次回以降の引継ぎに反映させる仕組みを構築しました。



引継ぎの明確化で変化したこと

これらの取り組みにより、工務店では以下のような成果を上げることができました。

〇業務の効率化
後戻りが減少し、業務全体の効率が大幅に向上しました。引継ぎがスムーズに行われることで、現場でのトラブルも減少しました。

〇品質の向上
引継ぎ時の確認作業が徹底されることで、施工の品質が向上しました。特に、図面の確認不足や未完成といった問題が解消されたことで、現場での混乱が減り、工事の精度が向上しました。

〇社員の意識改革
引継ぎの確認作業を通じて、社員一人ひとりが自分の仕事に対する責任感を持つようになりました。社員間のコミュニケーションも良くなり、他責の姿勢が改善され、チーム全体の協力体制が強化されました。

引継ぎ体制を仕組みにしましょう!

この工務店の事例は、引継ぎの重要性とその効果を示す良い例です。
しっかりとした引継ぎを行うことで、業務の効率化や品質の向上だけでなく、組織全体の信頼関係の強化にも繋がります。引継ぎのプロセスを見直し、その体制を仕組みとして構築し、それを常に改善し続けることで、さらなる成長と成功を目指すことができるのです。